歯科外来

2019年10月23日水曜日

広島大学病院 矯正歯科はこどもの矯正歯科治療に力を入れて取り組んでいます (小児の矯正について)

広島大学矯正歯科はこどもの矯正歯科治療(第1期矯正歯科治療)に力を入れて取り組んでいます🏥

こどもの矯正歯科治療とは永久歯が萌出完了し、また顎顔面の成長が終了する時期までに行う矯正歯科治療のことです(通常12前後まで)👦👧

数年前にある矯正歯科専門団体より、こどもの矯正治療に関するガイドラインが報告されたのをご存知でしょうか。
「上の前歯が出ている子どもは、永久歯が生えそろうまでは、矯正歯科治療を行わないことを強く推奨します」
というものでした。

これに関しまして当科の矯正歯科医師も所属している日本矯正歯科学会が、上顎前突のガイドラインを作成しています。内容を抜粋致しますと、上顎前突の治療に関しては、装置の種類や不正咬合のパターン、年齢などで効果は様々であり、すべてを完ぺきに網羅した論文報告は少ないのが現状である。また日本人を対象としたエビデンスの高い論文が少ない分野も存在する。そのため上顎前突の治療の必要性について未解明な点も多い。ただし、前歯の外傷を防ぐような、有効性が認められる項目も多く存在するのが事実である。

つまり、
「こどもの上顎前突の治療をすべきではないという根拠も不十分である」
というものです。

以下学会HPより
http://www.jos.gr.jp/information/medical_guideline.html

また矯正歯科臨床医の団体でもあります
日本臨床矯正歯科医会でも同様のコメントを発表しています。
http://www.jpao.jp/10orthodontic-dentistry/1020thinking

広島大学矯正歯科としましても、これら学会や団体の考え方と同様にこどもの矯正治療の治療効果やさらなる可能性を十分に感じており、これまで通り一層力をいれて取り組んでいきます。

また、エビデンスの少ない分野に関しましては、臨床研究や論文報告を行い、日本の矯正歯科治療の発展に協力したいと考えています。

☆☆☆注意点☆☆☆

どの矯正歯科専門団体においても共通して注意喚起しているのが、正しい検査を行い(セファロX線、セファロ分析、模型分析など)、また長年にわたる正しい矯正治療に関する教育を受けたものによって十分に治療の必要性および計画を練る必要があるということです。

現在、不十分な検査や個人の経験にのみ基づく治療、画一的に同じ既成品の装置を用いた治療など、根拠に基づかない矯正歯科治療がいまだ行われています。

治療の時期に関しても、早期であれば良いということでもなく、装置の効果やお子さんの成長段階を考えた適切な時期が存在します。通常は小学生1~2年生での初診来院が適当だと考えます。

どうぞお近くの大学病院、認定研修を受けられた矯正歯科専門病院でお尋ねください。


大学病院矯正歯科へのご相談は以下より
矯正初診相談ダイヤル
☎Tel:082-257-1755

☆特徴☆
・矯正歯科専門の先生が対応します
・矯正歯科に関するご質問も受け付けています
・そのまま初診相談の予約も取ることができます

(注:治療内容や料金など一般的な内容に関してはお答えできますが、詳細につきましては患者さんによって異なりますので、初診相談を受けることをお勧めいたします。)

矯正歯科HPからもお電話できます
http://home.hiroshima-u.ac.jp/orthod/index.html